令和2年1月号
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市役所からのお知らせ市役所からのお知らせ筑広報ちくご 2020年1月号18 11月7日、筑後地区人権・同和教育研究協議会会長の堤純雄さんによる人権セミナーがありました。 テーマは、同和問題「玄白と老人の出会いから~部落の歴史と部落差別解消推進法~」。今回、その講話の内容を紹介します。 部落差別とは、「ただそこに生まれたというだけで周りの人々から受ける差別」のことです。 差別の問題は、差別を受けている側に原因があるのではなく、差別をする周りに原因があるのです。 2016年に部落差別を解消するために「部落差別の解消の推進に関する法律」が施行されました。この法律が作られた目的は、第一条で次のように述べられています。●現在もなお部落差別(差別落書き、結婚・就職における差別など)が存在するとともに、情報化(インターネットなど)の進展に伴って部落差別に関する状況の変化(新たな差別)が生じていること●部落差別のない社会を実現するためには、「寝た子を起こすな(教えないでそっとしておく)」という考え方ではなく、教育や啓発により「正しく教えていく」ことが重要です。 近年、部落の歴史に関わる研究が進み、教科書の記述内容が大きく変わりました。ここで、江戸時代での記述の変化について一部紹介します。(表1参照) このように子どもたちは、記述を改めた教科書を使って、学校で正しい同和問題について学んでいます。私たち大人も、部落差別の解消のために同和問題を正しく学び、理解することが大切ではないでしょうか。身分の捉え方 以前の「士・農・工・商・さらに低い身分」から「武士・百姓・町人・差別された人々」へ。社会を支え、文化に影響を与える 差別された人々は、厳しい差別を受けながらも、荒地を耕して年貢を納めたり、優れた技術を使って人々の生活に必要な用具を作ったりして社会を支えました。また、古くから伝わる芸能を盛んにし、後の文化にも大きな影響を与えました。医学への貢献を称たたえる 差別された人々は、人体を解剖して医者たちに内臓の説明をしました。優れた解剖の技術を生かして当時の医学を支えていました。これは、後に杉田玄白たちの「解体新書」の出版につながります。(下絵参照)▶人権セミナーの様子【表1】教科書の記述の変化部落差別とは部落差別を解消するための法律教科書の記述内容が変わる▶【解剖の見学】絵:早川和子さん※「教育出版 小学社会6上」より「人権セミナー筑後」で学んだこと【問合せ】人権・同和教育課(☎7039)シリーズいま人権・同和問題は~同和問題に関する教科書記述の変化~

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