第5章 筑後市成年後見制度利用促進基本計画 1. 成年後見制度の利用促進 (1)計画の法的根拠と位置づけ 成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害等がある人たちについて、家庭裁判所によって選ばれた後見人等が、財産の管理や福祉サービス等の契約を行う制度です。 国においては、成年後見制度の利用の促進に関する法律(以下、「成年後見制度利用促進法」という。)が平成28年に公布・施行されました。 同法において、市町村の講ずる措置等が規定されており(第14条市町村の講ずる措置)、市町村は、国が定める成年後見制度利用促進基本計画(以下、「国計画」という。)を勘案して、成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な市町村計画を定めるよう努めることとされました。 また、令和4年3月に閣議決定された第2期国計画では、地域共生社会の実現という目的に向け、本人を中心とした支援・活動における共通基盤となる考え方として「権利擁護支援」を位置付けた上で、地域連携ネットワークにおける権利擁護支援策の更なる充実など、成年後見制度利用促進の取組を更に進めていくこととされています。 本市においては、本章に記載の内容を成年後見制度利用促進法に規定する市町村計画とし、更なる取組の推進を図ります。 なお、現在、国において成年後見制度の改正に向けた法的な手続きが進められています。 本計画の期間中においても、制度改正の内容を的確に把握し、法改正の趣旨を踏まえた円滑な施策の推進と対応を図ります。 (2)基本的な考え方 成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。 「法定後見制度」は、判断能力が低下し、契約等の法律行為における意思決定が困難な方について、家庭裁判所が選任する後見人・保佐人・補助人(以下、「成年後見人等」)が本人の意思を尊重しながら代理行為を行うことによって、その生命、身体、自由、財産等の権利を擁護するものです。 「任意後見制度」は、本人が十分な判断能力を有するときに、あらかじめ、任意後見人となる方や将来その方に委任する事務(本人の看護、財産管理、契約行為など)の内容を公正証書に定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人がこれらの事務を本人に代わって行う制度です。 本市においては、地域包括支援センターを中核機関として位置づけ、地域包括支援センターと福祉課を成年後見制度の相談窓口としています。 (3)成年後見制度利用状況 ①利用者数(令和3年から令和7年実績 福岡家庭裁判所調べ) 法定後見の利用者は増加傾向にあり、令和7年末時点で156人となっています。 任意後見の数は0件から1件で推移しています。 ②市長申立て件数(令和3年から令和7年実績 筑後市調べ) 市の高齢者に関する市長申立件数も増加傾向にあります。令和7年度末で9件の実績がありました。 内訳としては、高齢者の申請が増加しています。令和3年度0人が、令和7年度7年に増えています。 2. 制度利用促進に向けた取組 (1)社会福祉協議会が取り組むこと  ①事業 日常生活自立支援事業(再掲)  ・判断能力が不十分であるために、日常生活に支障を来している方たちに対して、福祉サービスの利用手続きの援助や日常的金銭管理、書類、通帳等の預かりを行います。 (2)行政が取り組むこと     ①事業 成年後見制度の利用促進(再掲)  ・権利擁護支援を必要とする人が安心して速やかに支援を受けることができる仕組みをつくります。  ・成年後見制度等の周知と利用促進、地域での支援体制構築のため、中核機関の機能強化に取り組みます。  ・意思決定支援や身上保護を重視した後見等活動が円滑に行われる支援体制をつくります。  ・制度の円滑な利用、審判請求にかかる費用や後見人等の報酬助成を行います。 (3)市の主な関連事業    ①事業    権利擁護事業(再掲)   担当課 地域包括支援センター 福祉課  ②事業   成年後見制度中核機関運営事業、(再掲)   担当課 地域包括支援センター 3. 地域連携ネットワークの体制整備 多様な権利擁護支援ニーズを早期発見し、早期支援を行うためには、司法、医療、福祉などの地域の関係機関とのネットワークを構築するとともに、本人や地域に対して包括的な支援を行うことができるよう、ネットワークが機能するための取組が必要です。 (1)協議会 協議会とは、法律や福祉の専門職団体や関係機関が連携体制を強化し、各専門職団体や各関係機関が自発的に協力する体制づくりを進める合議体です。 成年後見制度利用の進捗状況の把握および課題の検討等を行い、中核機関が事務局機能を担います。 (2)中核機関 中核機関とは、専門職による専門的助言等の支援の確保や、協議会の事務局など、地域連携ネットワークのコーディネートを担う機関です。 当市では地域包括支援センターがその役割を担っており、制度の利用に関する相談対応や広報啓発のほか、関係機関との調整、後見人等への支援を行っています。 (3)権利擁護の相談支援機能を強化するための取組 地域包括支援センター、基幹相談支援センター等、介護や障害、生活困窮、子育てなどの各相談支援機関が連携を図り、権利擁護支援を必要とする方や関係者からの相談を受け、確認した権利擁護支援ニーズに対し、必要な支援を行うことができる仕組みを強化します。