○筑後市男女共同参画推進条例

平成21年3月31日

条例第13号

前文

わが国の憲法では、個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、国際社会の動向を踏まえながら、男女平等の実現に向けて様々な取組がなされてきました。平成11年には、男女共同参画社会基本法が制定され、社会情勢の急速な変化に対応していく上で、男女が、互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現が、最重要課題として位置づけられました。

筑後市では、平成7年にあらゆる差別のない社会の実現に向けて「筑後市あらゆる差別をなくすことをめざす人権擁護条例」を制定し、人権尊重のまちづくりを目指してきました。また同時に、男女共同参画社会の実現に向けて様々な施策を展開してきました。しかし、男女の役割を性別によって固定的にとらえる慣行や制度、性別による差別や偏見、暴力など今なお多くの課題が残っています。

このような状況を踏まえて、本市は、市民と協働して、男女の人権が尊重され、自らの意思で多様な生き方が選択でき、自分らしく生きる喜びを実感できる男女共同参画社会の実現を図るため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、筑後市(以下「市」という。)における男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市の責務及び市民又は事業者の役割を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画の社会づくりを総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うことをいう。

(2) 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、その機会を積極的に提供することをいう。

(3) 市民 市内に居住する者、市内に通勤する者、市内に通学する者をいう。

(4) 事業者 営利、非営利等を問わず、市内において事業又は活動を行うすべての個人及び法人をいう。

(基本理念)

第3条 男女共同参画の社会づくりは、次の基本理念に基づいて推進されなければならない。

(1) 男女の個人としての尊厳が重んじられること、男女が性別による差別的取扱いを受けないこと、男女が個人としての能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されること。

(2) 男女が、家庭、地域、職域、学校その他のあらゆる場において、性別による固定的な役割分担等を反映した慣行又は制度に縛られることなく、互いの特性を認め合い、自らの意思と責任の下に、多様な活動の選択に配慮されるよう努めること。

(3) 男女が、家庭、地域、職域、学校その他のあらゆる場において、社会の対等な構成員として共同して参画する機会が確保されること。

(4) 家族を構成する男女が、互いに家庭を尊重し、相互の協力と社会の支援の下に、子どもの養育、家族の介護その他の家庭生活における活動と就業、就学その他の社会生活における活動とを両立できること。

(5) 男女の対等な関係の下に、互いの性についての理解を深め、互いの意思が尊重されることにより、生涯にわたり健康な生活を営むことができるよう配慮されること。

(6) 男女共同参画の社会づくりの促進は、国際社会の取組と連動して行われること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、積極的改善措置を含む男女共同参画の推進に関する施策(以下「男女共同参画推進施策」という。)を総合的に策定し、計画的に実施しなければならない。

2 市は、男女共同参画の推進に当たっては、国及び他の地方公共団体との連携を図るとともに、市民及び事業者と協力して男女共同参画推進施策を実施しなければならない。

3 市は、自らが策定し、実施するすべての施策について、男女共同参画の推進に配慮しなければならない。

4 市は、男女共同参画を推進するために必要な体制を整備し、必要と認めるときは財政上の措置を講じるよう努めるものとする。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、男女共同参画の推進に努めなければならない。

2 市民は、市の男女共同参画推進施策に協力するよう努めなければならない。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、男女共同参画の社会への理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり男女共同参画を積極的に推進するよう努めるものとする。

2 事業者は、市の男女共同参画推進施策に協力するよう努めるものとする。

3 雇用関係をもつ事業者は、その雇用する男女について、職業活動と家庭生活における活動その他社会生活における活動とを両立できるための環境整備に努めるものとする。

4 雇用関係をもつ事業者は、従業員等に男女共同参画に関する情報の提供を行うよう努めるものとする。

(性別による差別等の禁止)

第7条 すべての人は、家庭、地域、職域、学校その他の社会のあらゆる分野において、性別による差別的取扱いを行ってはならない。

2 すべての人は、配偶者その他の親密な関係にある者に対して身体的、精神的、経済的又は性的な苦痛を与える暴力行為をしてはならない。

3 すべての人は、他の者の意思に反し、性的な言動により不快感若しくは不利益を与え、又はその生活環境を害することをしてはならない。

第2章 基本的施策

(基本計画)

第8条 市長は、第4条第1項の計画的な実施に当たり、筑後市男女共同参画計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めるよう努めなければならない。

2 市長は、男女共同参画計画を定めるとき、又は変更するときは、あらかじめ市民及び事業者の意見を反映することができるよう適切な措置をとるとともに、必要と認めるときは、第16条に規定する筑後市男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。

3 市長は、男女共同参画計画を定め、又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。

4 市長は、男女共同参画計画の実施状況について、年次報告書を作成し、市民に公表するものとする。

(情報収集及び調査研究)

第9条 市は、男女共同参画の推進に必要な情報収集及び調査研究を行うものとする。

(啓発及び広報)

第10条 市は、市民及び事業者が男女共同参画の社会に関する理解を深めるよう、啓発及び広報活動を行うものとする。

(教育の充実等)

第11条 市は、家庭、地域、学校等のあらゆる教育の場において、男女共同参画に関する教育及び学習の充実を図らなければならない。

2 市は、職場、学校、地域において、男女共同参画の推進に関わる人材の育成に努めるものとする。

(活動支援)

第12条 市は、市民及び事業者が男女共同参画の社会づくりの促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供、助言その他の必要な措置を行わなければならない。

2 市は、市民が家事、育児、介護等の家庭生活における活動と地域、職域等におけるそれ以外の活動とを両立できるよう必要な支援を行うものとする。

3 市は、市民が男女共同参画の学習をし、地域においてその成果が生かされるよう支援を行うものとする。

(政策等の立案及び決定への共同参画の促進のための措置)

第13条 市は、市における政策の立案及び決定過程に、男女がともに参画できる機会を確保しなければならない。

2 市は、市の審議会等における委員を任命又は委嘱する場合においては、その委員の男女の均衡を図るよう努めなければならない。

3 市は、性別に関わりなく、職員の能力及び意欲に応じた登用を図るため、就業環境の整備等に取り組むとともに、能力向上の機会の確保に努めなければならない。

4 市は、事業者における方針の立案及び決定過程に、男女がともに参画できる機会を確保するため、事業者に対し、必要な情報の提供、助言その他の支援を行うよう努めるものとする。

5 市は、地域組織等の方針の立案及び決定の場において、男女がともに参画できるよう助言及び適切な支援を行うものとする。

(相談への対応)

第14条 市は、男女共同参画の推進に関する市民及び事業者からの相談に対応するため、相談窓口を設置し、市内外の行政機関又は民間団体との連携の下、適切な措置を講じるものとする。

(苦情の処理)

第15条 市長は、市が実施する施策について、市民又は事業者から男女共同参画に係る苦情の申出があった場合は、当該申出を適切に処理するよう努めるものとする。

2 市長は、前項の申出があった場合において、必要と認めるときは、次条に規定する筑後市男女共同参画推進審議会の意見を聴くものとする。

第3章 男女共同参画審議会

(筑後市男女共同参画審議会の設置)

第16条 市長の諮問に応じ、男女共同参画推進施策及び男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策について調査審議するため、附属機関として筑後市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、12人以内の委員をもって組織する。この場合において、男女いずれか一方の委員の数が委員の総数の10分の4未満であってはならない。

3 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1) 識見を有する者

(2) その他市長が適当と認める者

4 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

5 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

第4章 雑則

(委任)

第17条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成21年4月1日から施行する。

(筑後市附属機関の設置に関する条例の一部改正)

2 筑後市附属機関の設置に関する条例(昭和46年条例第15号)の一部を次のように改正する。

別表中「

市長

筑後市女性問題審議会

市長の諮問に応じて、女性問題に関することについて調査、審議すること。

」を「

市長

筑後市男女共同参画審議会

市長の諮問に応じ、男女共同参画の推進に関する施策及び男女共同参画の推進に影響を及ぼす施策について調査及び審議すること。

」に改める。

(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和32年条例第7号)の一部を次のように改正する。

別表区分の欄中「筑後市女性問題審議会委員」を「筑後市男女共同参画審議会委員」に改める。

筑後市男女共同参画推進条例

平成21年3月31日 条例第13号

(平成21年4月1日施行)