平成31年度市政方針について

更新日 2019年03月14日

 平成31年度の市政運営について、私の所信の一端を述べさせていただきます。国の状況を見てみますと、アベノミクスの推進により、GDPは名目、実質ともに過去最高規模に拡大し、日本経済は大きく改善しています。企業収益は過去最高を記録するとともに、就業者数も増加するなど、経済の好循環は着実に回りつつあると言われております。

 一方で、堅調な法人業績とは反対に、個人消費は伸び悩みが続いている状況もあります。アベノミクスの成果を実感できない地方自治体の財政環境は、一段と厳しさを増しているようにも感じております。

 政府は、アベノミクスの成果を全国の津々浦々まで一層浸透させ、経済の好循環を更に加速させるよう、施策を実施していくとしています。

 また、本年10月1日に予定されている消費税率の引上げに伴う対応については、十分な支援策を講ずる等、あらゆる施策を総動員し、経済の回復基調が持続するよう、臨時・特別の対応を行っていくとしています。

 本市におきましても、国と歩調を合わせ、取組を進めていく必要があると考えております。

 私は、就任当初から、着実な行財政健全化が最重要課題と捉え、努力いたしておりますが、引き続き取組を強化し、決して次の世代に負担を強いることのないよう、更なる努力をしなければならないと考えております。

 一方で、待機児童解消をはじめとした子育て支援、公共施設の老朽化対策や災害対応力の強化、小学校再編や校区コミュニティの推進等、喫緊の課題や重要な課題も多くございます。 

 就任当初から変わらない思い「もっと住み続けたい筑後市」の実現に向けて、引き続き、丁寧に、またスピード感を持って、まちづくりを進めてまいりたいと考えております。

 さて、平成31年度は「第五次筑後市総合計画」の最終年度になります。平成28年3月に策定した「元気な筑後市創造戦略」と一体的に取り組むことで、筑後市が「住みたいまち」「住み続けたいまち」に選ばれるよう、施策を推進してきたところでございます。これまでの取組をしっかりと検証しつつ、これからのまちづくりの方向性を示す「第六次筑後市総合計画」の策定へつなげ、着実に施策を進めていく必要があります。併せて「行財政健全化実施計画」も3年目となるため、平成31年度は、あらゆる施策の成果の見える1年にしたいと考えております。

 

第5次総合計画(第五次筑後市総合計画)

 幸いにも、筑後市の人口は、近隣自治体が減少となる中で、微増で推移しております。また、民間主導での宅地開発も盛んで、昨年度までの3年間は転入超過となるなど、定住者の増加にもつながっております。筑後船小屋駅周辺は、県営筑後広域公園の拡充が進んでおり、九州芸文館をはじめ、体育館やプール等のスポーツ施設も充実し、またHAWKSベースボールパーク筑後の観客動員数が開業以来3年連続で10万人を突破するなど、市内外から訪れる方々も増加しております。これまで、職員が一丸となり、一つ一つの施策に丁寧に向き合い、取り組んできた成果でもあると思っております。

 こういったあらゆる好材料をチャンスと捉え、「もっと住み続けたい筑後市」の実現に努力していきたいと考えております。

タマスタ.jpg(HAWKSベースボールパーク筑後)

 

 このような背景を踏まえ、平成31年度の予算編成に当たっては、厳しい財政状況を考慮しながらも、重点的には大きく3つの施策について取り組むことを指示いたしました。

 

 重点1.「子育てしやすいまちづくり」

 「安心して子どもを産み、子育ての喜びを感じられるまち」の実現のため、仕事と育児が両立できる環境づくりを目指してまいります。

 ここ数年、筑後市では、保育所、学童保育所の待機児童問題が大きな課題でございます。

 平成27年3月に策定した「子ども・子育て支援事業計画」及び「待機児童解消加速化プラン」に基づき、民間事業者の協力を得ながら、私立保育所等の整備、いわゆる「ハコモノ」への支援により、受入児童数を着実に拡充してまいりました。

(子ども・子育て支援事業計画)

  しかしながら、入所希望者数が、それを上回る速さで増加しており、定員数が申込者数に追いつかず、待機児童の解消には至っておりません。また、本年10月からは、「幼児教育の無償化」がスタートすることから、保育ニーズが更に高まり、保育人材の確保も更に困難になるものと想定されます。

 そのため、平成31年度予算においては、保育等を担っていただく「マンパワー」に着目し、国の処遇改善等に加え、筑後市で働いてみたくなる、また働き続けたいと思っていただけるような「保育士等確保支援事業」として、現役保育士、新卒保育士、潜在保育士、放課後児童支援員等、それぞれのニーズに応じた「10種類の支援パッケージ」を新たに創設し、3年間限定で、重点的に投資することといたします。

 他市に先行したきめ細やかな支援パッケージにより、筑後市における保育人材の安定的な確保を強力に推進し、待機児童の解消を図ってまいります。

 また、児童の安全かつ健全な保育の実現に向け、老朽化した筑後保育所の建て替えと駐車場不足の解消のため、必要な用地の確保を行います。

 さらに、長年の懸案であった「特定不妊治療」及び「男性不妊治療」に係る経済的負担の軽減については、平成31年度から、福岡県の助成に上乗せして、不妊治療費助成事業を実施いたします。 

 また、風しんの感染拡大を防ぐため、抗体保有率が低い年代の男性に対する抗体検査及び予防接種を実施いたします。

 このような施策を強力に進めながら、安心して子どもを産み育てることができるまちづくりの実現に努めてまいります。

 

 重点2.「災害に強いまちづくり」

 本年1月3日に、私の母の故郷である熊本県和水町において、震度6弱の地震が発生いたしました。いつ、どこで災害が発生するか分からないということを、私自身、年初から改めて痛感し、気を引き締めて、安全・安心なまちづくりに取り組まなければならないと意を強くしたところでございます。

 平成26年度から整備を行ってまいりました筑後市北部交流センター「チクロス」が、今年度全面開業いたします。平成31年度から当市の防災拠点、北部地域の交流拠点として活用してまいります。

(筑後市北部交流センター開園式)

  5月には開業記念として、公的機関のほか、ライフライン関係機関、各校区自主防災組織にも参加いただき、地震と大雨が同時に発生することを想定した総合防災訓練を実施いたします。

 また、近年多発している地震や豪雨など大規模災害対応への機能強化を図るため、各小学校区自主防災組織の充実・強化を支援するとともに、災害発生時に配慮が必要な市民や施設に対する支援を推進してまいります。

 具体的には、引き続き、地域において防災士を養成するとともに、災害時避難行動要支援者の登録促進、浸水想定区域内の要配慮者利用施設における個別避難行動計画の作成及び避難訓練を支援いたします。

 また、通学路や避難路等に面した危険度の高いブロック塀について、撤去費用の一部助成を行います。

 さらに、災害時に筑後市に影響のある12か所のため池が「防災重点ため池」として指定を受けることから、耐震診断調査を実施し、堤防が決壊した場合を想定したハザードマップの作成を行います。

 これらのほか、引き続き本庁舎の耐震改修工事を実施するとともに、サザンクス筑後や中央公民館の天井落下防止等の改修を行います。

 また、築60年以上が経過し、老朽化が顕著な本庁舎につきましては、耐震改修工事を行いながら、将来の建て替えを視野に、財源確保に取り組んでまいります。今議会で条例を提案しておりますが、新たに「庁舎建設基金」を設け、今後概ね10年で25億円を目途に、計画的に積み立てることとしております。平成31年度当初は、他の基金からの繰り入れを含め、16億円を積み立てることとしております。

(防災パートナシップに関する協定)

 

 重点3.「行財政健全化の推進」

 人口減少、少子高齢化社会に対応し、安定的な財政運営と効果的な施策を推進するため、平成29年度に策定した「筑後市行財政健全化実施計画」の取組を着実に推進してまいります。

 計画の基本目標である「経常的経費削減、実質収支における黒字額の確保、財政調整基金及び庁舎建設基金の確保、実質公債費比率の上昇抑制」については、引き続き目標達成に向けて、私が先頭に立ち、職員一丸となって努力してまいります。

 また、計画の大きな柱である補助金・負担金の見直しについては、外部評価委員会を設立し、2年間で検証を行ってまいります。市から団体等への補助や負担金の考え方の整理を行いながら、本来の補助金・負担金のあり方について検討してまいります。これらの取組については、市民の皆様にとって痛みも伴うことであるため、しっかりと説明責任を果たし、理解を得ながら進めてまいります。

 

 以上、3つの重点施策のほか、平成31年度の主な事業については、第五次筑後市総合計画に基づき、次のとおり着実に進めてまいります。


1.安全で快適な生活を支えるまちづくり

 水道事業については、安全な水道水を、いつでも安定して供給できる施設の構築を目指し、引き続き施設の耐震化や老朽管更新、未普及地区の解消を図り、中長期における健全経営の堅持に努めてまいります。

 下水道事業については、快適で衛生的な生活環境のため、下水道と合併処理浄化槽による効率的な汚水処理の整備推進を図ってまいります。下水道会計は、平成31年度から公営企業会計に移行し、経営状況の正確な把握に努め、中長期的な施設整備計画、収支計画のもとで、健全経営を目指してまいります。

 消防救急体制の整備については、災害による市民の生命・身体・財産への被害を最小限に食い止めるため、職員の技術向上を図りながら、市民満足度の高い消防行政を推進してまいります。

(消防署職員訓練)

  コミュニティ自動車の推進については、超高齢社会に対応し、公共交通を補完する取組として、検討中の地区についても支援を進め、更なる拡大と充実を図ってまいります。

 道路事業については、国道442号や209号に関し、依然として渋滞区間や危険箇所が存在していることから、渋滞対策や歩道整備事業の促進に努めてまいります。

 また、市内道路網の整備については、県道や交差点等の整備促進、幹線的な市道整備及び通学路の安全対策を着実に推進してまいります。

 近年、全国的な課題である道路や橋りょう等、インフラ施設の老朽化への対策についても、計画的かつ効果的に長寿命化を図り、既存道路に対する市民満足度向上に努めてまいります。

 水路事業については、円滑な排水対策や生活環境の向上・農業用水の安定確保のため、計画的に整備を推進してまいります。


2.資源・環境にやさしいまちづくり

 本市の豊かな自然環境を次の世代へ継承するため、「美しい筑後を子どもたちへ」をスローガンに、市民、事業者、行政の協働による循環型社会の形成や環境保全に努めてまいります。

 循環型社会の形成については、物を大切に使い、ごみを減らし、使えるものは繰り返し使い、ごみを資源として再び利用する「3R(スリーアール)」の取組を推進し、ごみの減量化を図ります。特に、今問題となっているプラスチック廃棄物と食品廃棄物の対策を重点的に取り組んでまいります。

 環境保全については、不法投棄の防止を図るとともに、河川や水路の環境美化活動を推進します。また、環境に優しいライフスタイルの普及を図るとともに、地域の緑化を推進します。

 さらに、筑後市衛生センターについては、長寿命化総合計画に沿った計画的な整備を進めてまいります。また、八女西部広域事務組合の効率的運営にも引き続き努めてまいります。


3.豊かな暮らしを支え活力を生み出すまちづくり

 農業の振興については、農業経営の安定化、農村環境の保全が最大の課題であります。

 このため、各農事組合法人との対話を進めることで、法人の自立化、農業という産業の維持発展につなげたいと考えております。また、将来の農業の担い手となる新規就農希望者の就農促進と育成、農村環境保全に努めてまいります。

 商工業の振興については、市内の中小企業・小規模事業者は、依然として厳しい経営環境にあります。

 このため、関係機関と連携し、経営支援等に努め、市内経済の活性化に取り組んでまいります。また、企業誘致と既存企業の支援の取組も推進し、雇用の創出と財政基盤の強化を図ってまいります。

 観光の振興については、引き続き「第2次筑後市観光推進実施プラン」に基づき、観光入込客数の増加を図ってまいります。

 また、福岡県及び近隣市町、福岡ソフトバンクホークスと連携・協力し、市内観光地への誘客や観光消費の拡大に努めてまいります。

タマスタ(恋のファーム).jpg(観光PR動画)

 

4.いきいきと健康なまちづくり

 健康づくりについては、第2次健康増進計画「よかよかちっご健康のまち21」に基づき、健康寿命の延伸に向け、推進してまいります。

 特定健康診査やがん検診については、地域コミュニティとの連携により受診率の向上を図るとともに、保健指導により生活習慣病の発症予防及び重症化予防に努めてまいります。

 筑後市立病院については、地域における中核病院の役割を果たすとともに、安定した経営の継続により、第3期中期目標達成を求めてまいります。

 高齢者福祉については、「第7期高齢者福祉計画・介護保険事業計画」に基づき、団塊の世代が後期高齢者となる2025年を見据え、地域包括ケアシステムを深化・推進するために、要支援・要介護状態とならないための健康づくり、地域包括支援センターの機能強化、認知症に対する取組の3点を重点施策として、引き続き取り組んでまいります。

 障害児・障害者福祉については、平成31年度から8年間の「第3期筑後市障害者基本計画」に基づき、障害者・障害児が支障を感じることなく生活し、社会参加できるまちづくりを進めてまいります。

 生活困窮者自立支援については、自立相談を通し、生活保護に至る前の生活困窮者支援を強化してまいります。

 自殺防止対策については、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、「筑後市自殺対策計画」の策定に向け、取り組んでまいります。


5.創造性と豊かな心を育むまちづくり

 教育施策については、筑後市教育大綱の目標である「教育のまち・ちっご」~ちっごで育ち、ちっごを愛し、ちっごを育てる人づくり~を基本に進めてまいります。

 学校教育については、2020年度に完全実施される新学習指導要領の内容を踏まえ、「確かな学力の向上」「豊かな心の育成」「健やかな体の育成」を3つの柱として、基礎力・思考力・実践力を土台とした21世紀型能力の向上を図ります。そのことを基盤に、子どもたちが21世紀の社会を「生きぬく力」を身につけることや新たな価値を創造する人材、グローバル人材等の養成を目指してまいります。

 また、新学習指導要領によって小学校段階から外国語教育の推進が求められています。積極的な人材の育成や研修体制の充実によって、将来的にグローバル人材の養成につながるよう取り組みます。

 学校施設の整備においては、障害のある児童に対する事前の対応として、学校のバリアフリー化を進めます。

 市のまちづくりに大きな影響を及ぼす「小学校再編」については、これまでの検討経過を踏まえ、市議会の皆様や保護者、地域住民の方々の意見を聞きながら、持続可能な教育環境づくりを目指して、枠組みや新小学校の設置場所等の内容を決定できるよう、更に協議を進めてまいります。

 青少年健全育成では、次代を担う子どもたちの自立心や社会性を育むため、市民ボランティアや家庭、地域、学校等の協力を得ながら進めてまいります。

 生涯学習・生涯スポーツについては、地域活動や地域活性化に役立つ中央公民館講座の開催により、地域社会の担い手養成等に取り組むとともに、市民の生きがいづくりを支えてまいります。

 伝統文化・郷土文化の継承については、伝統行事や伝統技術継承の支援のほか、山梔窩や欠塚古墳等、史跡の保存・活用・啓発等に取り組んでまいります。

(山梔窩歴史交流施設)

  図書館事業については、魅力ある資料の整備、図書ボランティアの育成等によって読書活動を推進し、くらしとともにある、より身近な図書館づくりを進めてまいります。

図書館.jpg(図書館でのイベント)

    人権・同和教育では、人権尊重の理念についての正しい理解の定着と、差別のない、人権が守られる平等な社会の実現を目指し、人権教育・人権啓発を推進してまいります。

 男女共同参画では、男女共同参画計画「ひろがり4」に基づき、男女が互いに人権を尊重しつつ、個性と能力を十分に発揮できる社会の実現に向けた取組を推進します。


6.協働によるまちづくり

 少子高齢化の進展や人口減少社会の到来、身近な自然災害への対応等、多様化・高度化する地域課題に向き合うために、地域自治組織や市民活動団体との協働によるまちづくりの推進が、ますます重要な課題となっております。

 「市民協働の推進」では、協働のまちづくりの担い手である行政区への加入促進を図るほか、校区コミュニティ協議会に対する支援のあり方等を見直し、行政区と互いに補完し合いながら、地域課題の解決に向けた取組を支援してまいります。

 広報・広聴については、月1回の発行となる「広報ちくご」や市の発刊物の検証を行いながら、時代に合った様々な媒体での情報発信に努め、広報・広聴のあり方について検討を進めてまいります。


7.人を呼ぶまちづくり

 本市の人口推移は、死亡数が出生数を上回る自然減少が既に始まっておりますが、一方で、転出以上に転入される方が多い状態にあり、外国人を含む住民基本台帳の登録人口は、微増で推移しております。

 ただし、国の総人口が毎年減少し、近隣でもほとんどの自治体が人口減少している中で、本市だけがこのまま増加を続けるという楽観はできませんので、課題である若年層の転出抑制と都市圏からの転入促進に継続して取り組んでまいります。


8.持続と発展を可能とする市政運営のために

 情報化の推進と管理については、めまぐるしく変化する情報化社会の中で、住民の利便性向上につながるサービスの利用促進を図りつつ、引き続きセキュリティの強化、職員の危機管理意識の醸成に努めてまいります。

 また、これら様々な政策・施策等を着実に実施するため、より一層効率的で機能的な組織づくり、意欲と創造力・実行力等を兼ね備えた職員の育成を進めることによって、市民から信頼される市政運営を実現してまいります。

 

 以上、平成31年度の市政運営について、私の基本的な考えを申し上げました。

 新しい時代の舵取りも、大変厳しい状況にありますが、市民の皆様お一人お一人との対話を重んじながら、そして議会の皆様のご理解、ご指導をいただきながら、前に進んでいきたいと考えております。「もっと住み続けたい筑後市づくり」のため、今後とも全力を傾注してまいりますので、一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

筑後市役所(筑後市役所) 

 

(第22回筑後市議会 市政方針演説より 平成31年3月) 

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